社会不安障害と合併症

対人恐怖症は「相手に不愉快な感情を与えたくない、嫌われたくない」という恐れです。

さらに症状が重篤化すると、恐怖感は具体的になり、自分の視線や体臭が相手を傷つけたり、不快にさせることを恐れるようになります。

つまり何の根拠もなく自分自身が相手に不快感を与えると妄想するのです。

この状態が続くと、もはやそれは対人恐怖症ではなく、社会不安障害となります。

対人恐怖症は「自分が他人に迷惑をかける」という他者目線であるのに対して、社会不安障害は「自分が恥ずかしい思いをする」という自分が中心軸になっているのです。

社会不安障害の合併症

社会不安障害はさらに重篤な合併症を併発する危険があります。

アメリカの公的機関による調査によると、社会不安障害患者の43.6%が他の精神疾患を患っています。

内訳は「うつ病36%)」「アルコール依存(11%)」「パニック障害(6%)」「薬物乱用(3.4%)」などとなっており、
社会不安障害がさまざまな精神疾患の入り口になっていることが伺えます。

なぜ治療しようとしないのか?

社会不安障害の人が受診する割合はわずか16%程度と言われています。

それも、社会不安障害ではなく、併発した合併症(うつ病やアルコール依存、パニック障害、PTSDなど)の症状で受診するケースが多いようです。

もともと社会不安障害の人は「恥かしがり屋」の体質で、社会に適応するためにかなり辛い努力を続けてきたのです。

もちろん良い結果は生まれず「自分はダメだ」「努力が足りない」と自己否定に陥ってしまいます。

「心の病気」などという認識は決して持とうとしません。

「努力せよ」という自分への呪文は「病気である」という認識を否認(否認機制)するように働いてしまうのです。

「勇気を出せ」「自分に負けるな」これがさらなる社会不安障害を煽ることになります。

自らの心をまっすぐ見つめる

対人恐怖症に代表される社会不安障害は、気持ちの問題ではありません。


こころの病気です。

いくら努力をしようと、勇気を振り絞ろうと、何の効果もなく、乗り越えることなどできません。

むしろ病気を重篤化させて合併症を併発するのがオチです。

「自分は病気かもしれない」という認識から始めてみることが最も大事なことです。

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